2017年10月10日火曜日

初乗り上限410円と自動運転化

東京23区内と武蔵野・三鷹市の営業区域で、今年1月30日からタクシーの初乗り運賃が下がりました。
ただ...
個人的には、この「タクシーの初乗り運賃が下がった」といった報道に違和感をいだいた次第。

『現行2キロメートル730円を1.052キロメートル410円に変更。約1.7キロメートルまでの短距離の運賃はいまより下がり、6.5キロメートル超の運賃は上がる。
タクシーの需要が低迷するなか、短距離利用の「ちょい乗り」需要を掘り起こしたい考え。
初乗りの走行距離を超えると237メートルごとに80円加算。初乗り410円は上限で、380円、390円、400円の設定も可能...』
といった報道をよく目にしました。

先ほどの(個人的な)「違和感」は、
410円に下げられたわけではなく、初乗りの距離が2→1.052キロメートルとなり、それに伴い料金をフィットさせたに過ぎないこと
に(まずは)起因。

そして、「距離」のことにしか(殆どの報道は)フォーカスしておらず、タクシーの料金が「時間」距離併用制(運賃)であることにあまりにも触れなさすぎることが気になっています。
表(画像出典:国土交通省)によると今回の料金改定に伴い、4パターンの初乗りを検討していた模様。

例えば、表にある上限運賃を適用したタクシー会社さんの場合、確かに1.052キロメートルまでの初乗りは410円。

しかしながら...上記の例で示したケースは、信号などで止まることなく、順調に1.052キロメートルを走り切った場合(に限る)。

タクシー料金は時間距離併用制(運賃)が適用されており、交通状況によっては、1.052キロメートルを走り切る前にメーターは上がります。

1月30日からの料金改定後、“あれっ...1キロメートルも走っていないのに、メーターが上がったわねぇ?”
などと感じた方もいると思います。

そのあたり...
ちょっと説明が面倒だなぁーと(当初は)思った次第です。

また、東京ハイヤー・タクシー協会の事前調査によると、初乗り(2キロメートル以内)で下車してしまう利用者は、全体の27%にものぼった様子。
出典(情報ソース):毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160213/k00/00m/020/152000c

そういった短距離のお客様の掘り起こし(喚起)が、今回の「値下げ」理由のひとつとして挙がっていたが...
こと運転手目線で問わせてもらえれば、
27%までとはいわないが、相当数のお客様を掘り起こすことが出来なければ、全体の営業収益は減る?
更には、6.5キロメートル超ならば運賃は上がるので...そういったお客様を対象とした営業スタイルがかなり有利?
等など...(当初は)いろいろ考えたものです。

さて...
今回の申請をけん引したのは、東京特定指定地域(特別区、武蔵野市及び三鷹市)を営業区域とするタクシー会社大手4社によって構成される組織、いわゆる「東京四社」だった模様。
中小のタクシー会社さんではなく、「東京四社」が躍起になっていった(らしい)というところがひっかかります。

スマートフォンのアプリでハイヤーを呼び出し、あらかじめ登録したクレジットカードで決済できるサービスを主導している「UBER(ウーバー)」に代表されるシェアリングエコノミーが台頭。

「東京四社」はこの「UBER」の対策に躍起となっている模様?

しかし「UBER」対策には、手を焼いていると推測。なにしろ「UBER」には、奥の手の“ライドシェア”がありますので...。

ライドシェアとは、日本の現行法では限りなく黒に近いグレーな「白タク」行為的な存在とされているようですが、欧米などではかなり普及しているもの。

個人が所有する自動車を活用するといった仕組みのものであり、二種免許の取得も緑色である営業ナンバーも不要です。
そんなものが、認可されたら...タクシー産業の崩壊は火を見るよりも明らかでしょう。

そして...ここで出て来るのが、タクシーの「自動運転化及び無償化」といったキーワード。

自動運転化は手動運転と比較してハード面でコストがかかると考えられるが、量産されれば1台当たりの値段は劇的に下ることでしょう。
そうなれば、人件費が掛からない自動運転タクシーのコスト競争力が一気に高まり、「大手(タクシー会社さん)」が有利となることでしょう。

また、スマホなどのデバイスを使って、動画広告の閲覧やアンケート記入などを行う代わりに、無料で自動運転タクシーを利用するというビジネスモデルが成立する可能性も出てくると考えているのでしょう。

タクシーは単なる移動手段ではなく、ITインフラをフル活用したマーケティングビジネスへと変わっていくとの“妄想”において、今回の料金引き下げによる顧客の囲い込みをスタートさせたと(私的には)想像しています。

さて、白タクの合法化をシェアリングエコノミーの台頭として受け入れ→対抗策の一環として、乗務員の切り捨てを画策していくのであれば、現役のタクシー運転手としては...
それなりの覚悟と準備をする必要があるということですねぇ。

利用される方にとっては、自動運転化及び無償化へのメリットが高いという評価になるのか?
いままで通りの人間臭いようなものも共存していける対象となるか?
非常に興味深いものになると思います(よ)ねぇ。


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